月別アーカイブ: 2013年4月
天皇は、お父上の忍歯王のご遺骨をおさがし申そうとおぼしめして
いろいろ、ご苦心をなさいました。すると、近江から一人の卑しい老婆がのぼって来て、 「王のお骨をお埋め申したところは私がちゃんと存じております。
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これは、相模の野原で火攻めにお会いになったときに
その燃える火の中にお立ちになっていた、あの危急なときにも、命は私のことをご心配くだすって、いろいろに慰め問うてくだすった、ほんとに、お情け深い方よと、そのもったいないお心持を忘れない印に歌ったのでした。
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するとそこへひきがえるがのこのこ出て来まして
あの神のことは久延彦ならきっと存じておりますでしょう」と言いました。久延彦というのは山の田に立っているかかしでした。久延彦は足がきかないので、ひと足も歩くことはできませんでしたけれど、それでいて、この下界のことはなんでもすっかり知っておりました。
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