真に現時の絵画を

 真に現時の絵画を、過去のそれに比較するに及んでは、格段の趣きで感慨殊に深きを覚ゆる。ずっと以前に如雲社という会が京都であって、確か毎月裏寺町で開かれていたが、ここには京中の各派の社中の方々が思い思いの出品もされ、私もそのいいのをよく見取りもさせて貰った。ほんとうに楽しんで面白く、和気靄々裡に一日を過ごすといった風の会だった。時代の変化でそうした親睦さは今ではちょっと出来にくかろうけれど、こういう風の会はこれ迄この会以外には見られない位に考えられる。のんびりとしたいい会であったと思うと懐かしい。
 せめてこの様な会が当節でも一つ位あったらよかろうにと折ふしに思われる事でもある。そのころの美術雑誌で『煥美』というのがあって、いつかその雑誌で松年先生と久保田米僊さんとが、画論に争論の花を咲かせたことも覚えているが、世の中の向上とか進展などというものには、様々の議闘もまた争論も生れる、しかしよくも悪くもこれは過去をふりかえった時には、微笑ましい愉悦さを覚えしめるものと私は思えてならない。
(昭和十三年)

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