陛下、陛下こそ優勝杯を受けるのに

「陛下、陛下こそ優勝杯を受けるのに相応しい方です。王様こそ前代未聞の寛大な行為をした人です。」ザディッグは王に言った。「それは、陛下が国王であるにも拘わらず、貴方の奴隷が、貴方の意に反した事を言った時、彼に対して全く怒りを示されなかったからです。」
 人々は王とザディッグを褒め称えた。自分の財産を与えた裁判官、自分の恋人を友人に譲った若者、恋人よりも、自分の母を救おうとした兵士、は、王の贈り物を受けた。そして彼らは、「寛大な人々」と表紙に書かれた本の中に、自分達の名前が書かれるのを見た。ザディッグは優勝杯を貰った。王は立派な君主としての評判を得た。が、それは長く続かなかった。その日は、法が許す限り長く、祭日に当てられた。その日の記録は今もアジアに残っている。ザディッグは、「とうとう僕は幸福になった。」と言った。しかし彼は間違っていた。

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