「浜松にも飛行連隊があったネ、兄さん」
「そう。浜松の連隊は、太平洋方面から敵機が襲来するのに対し、非常に有効な航空隊だ。それから、いよいよ東京に近づいてゆくが、東京の西郊に、立川飛行連隊がある。南の方で東京湾の入口追浜には海軍の航空隊がある。鹿島灘に対して、霞ヶ浦の海軍航空隊があるが、これは太平洋方面から襲撃してくる米国の航空母艦に対抗するものであることは明かだ。それから本土を離れた太平洋上にも、海軍の航空隊が頑張っている。東京湾の南へ二百キロ、伊豆七島の八丈島には、海軍の八丈島航空隊、その南方、更に六百キロの小笠原諸島の父島に、大村航空隊がある」
「ははア、随分海軍の航空隊って、太平洋の真中の方にあるんだなア。――それから外には……」
「もうそれだけ」