ふーん、三十八弾

「ふーん、三十八弾、いずれも甲板から艦底に通り抜けたか。しかも穴一つ明かず……。これは驚異じゃ。ハワイ海戦の前に、これを知って居たらなあ。ちえっ、遅かった」
 と、大統領は、かぶっていた帽子を手にとって、両手でびりびりと引き破った。
「雷撃機出動です」
 ヤーネルが、蚊のような細い声でいった。
 しかし大統領は、もう雷撃にはなんの興味をもっていなかった。何百本の空中魚雷をうちこもうと、到底あの驚異軍艦を撃沈することは出来ない。今や彼の灼けつくような好奇心は、かくも不思議な奇蹟を見せる驚異軍艦の構造の謎の只一点に集中されていたのであった。
「見せてくれ、あの驚異軍艦の中を! わしは直ぐ、あれを真似して百隻ばかりこしらえるんだ」
 大統領は、あえぎながら、金博士の胸倉をとって哀訴した。
「御覧になれば、なんだこんなものかと思われるですよ。はははは」
 と、金博士は謙遜とも皮肉とも分からない笑い方をして、大統領をはじめ、建艦委員たちを案内して、驚異軍艦ホノルル号についていった。

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