その他、何でもやれることはやる。そして二、三年間には、何とか家の基礎をつくりたい。僕のミリタリ・サーヴィスも、出獄後なお三年は延ばせる。
次は弟等の学校の撰択だ。
伸は語学校へとの望みのようだが、何科をやるつもりなのだろう。僕の思うには、語学校の卒業生は別に何かの才学のあるものの外は、実際において教師あるいは通訳の外にはほとんど役に立たぬ。もし語学に趣味があるようなら、早稲田の英文科でもやったらどうだろう。もっとも、必ずしも語学校は悪いと言うのではない。いずれにしても入学期は四月だ。急いでその準備をさすがいい。
松枝は三月まで今の学校にいて、四月には東京の何処かに転校して、そしていろいろ足下の手伝いをさせたい。